2013/05/20

山本善行 / 関西赤貧古本道


腹を抱えながら読んだ。
正に抱腹絶倒。
面白すぎる。

今では善行堂の店主として知られる山本善行さんが2004年に書かれたエッセイ。
古本入門、みたいな本は数多あるけれど、こんなに面白い本は読んだことが無いし、これからも無いと思う。
たくさん勉強させられたのだけれど、何よりも、この本の魅力は山本善行さんが古本を好きだという気持ちが一つ一つのページ、文、言葉から溢れていることだと思う。

私はこの本を読んでいる間、ムッシュかまやつの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」が耳から離れなかった。(何故か家にはCD音源が2枚、ドーナツ盤が1枚ある)
ゴロワーズにこんな一節がある。

君はたとえそれがすごく小さな事でも
何かにこったり狂ったりしたことがあるかい
たとえばそれがミック・ジャガーでもアンティークの時計でも
どこかの安い バーボン・ウイスキーでも
そうさなにかにこらなくてはだめだ
狂ったようにこればこるほど
君は一人の人間として
しあわせな道を歩いているだろう

読書中、どこからともなくムッシュの声が響いてくる。

古書を探す際の作法(服装から!)に始まり、均一台、絶版、雑誌、古本祭り、東京遠征、オークションまで、古本に纏わるあらゆる事柄が面白おかしく書かれていて、一晩で読み終わってしまった。

古本のみならず、何かに夢中になったことがある人(それがたとえ凄く小さな事でも)は、とても面白く読んで頂けると思う。


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