2014/05/22
荒井良二 / あさになったのでまどをあけますよ
荒井良二さんを知ったのはエンケンさん(遠藤賢司)のアルバム「君にふにゃふにゃ」(2009)を買ってからなので、遅い方だろう。面白い絵を描く人だなあと思って、そう思うと不思議なもので本屋へ行ったり、雑誌を開いたりすると荒井良二さんの絵が次々と飛び込んでくる。そうするとどんどん気になって、読んでみたくなる。いつか子どもが出来たなら荒井良二さんの絵本をたくさん買おうと決めていた。
2011年の終わりに出たこの本は、とても話題になっていて、買うのをずっと我慢していた。(別に我慢する必要ないのだけれど、子どもが出来たら、と決めていたから)買う前から素晴らしい本だろうな、というのはわかっていた。だってタイトルが「あさになったのでまどをあけますよ」なんだから。
めでたく子どもが生まれて絵本をたくさん買うようになって、荒井良二さんの絵本を見つけては買うようになった。「たいようオルガン」もびっくりしたけれど「あさになったのでまどをあけますよ」は最高だった。まどをあけて、新しい1日が始まる喜びを心から感じた。新しい世界を見つけた、と思った。
いや、元々そこにあった美しい世界が見えていなかったのだ、と思った。この絵本には海があり、山があって、太陽があって、雨があって、あなたとわたしがいて、そこに街がある。要するに全てがある。そして荒井良二さんの言葉にはリズムがあって、間があって音楽のように心に響いてくる。最後のページを捲る時なんか何度でもわくわくしてしまう。
ずっと娘の部屋の、窓のそばに置いておきたい。
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