2012/11/05

村上龍 / 限りなく透明に近いブルー


小説を読むことの面白さを知ったのは何の本だったかと考えていたらこの本に行き着いた。
初めて読んだのは高1か高2だったと思う。
中学の終わり頃からだんだん読書が好きになっていった。最初は母親の影響で「三銃士」とか「ロビンソン・クルーソー」とか「ジュラシック・パーク」とか「フォレスト・ガンプ」なんかを読んでいたと思う。家にあったものを適当に読んでいた。

高校は全く面白くなくて授業中は小説か漫画ばかり読んでいた。当然の成り行きと言うべきか、村上春樹に出会い、村上龍に出会う。辻仁成なんかも良く読んでいた。「ノルウェイの森」は大好きな小説だったし、今では村上春樹は僕にとっても特別な作家だけれど、本当の意味で小説の面白さ、読書の喜びを教えてくれたのは村上龍だったと思う。「コインロッカーベイビーズ」「海の向こうで戦争が始まる」「ポップアートのある部屋」「トパーズ」「村上龍料理小説集」etc
その中でも「限りなく透明に近いブルー」がたまらなく好きだった。

破滅的な登場人物たち、過激な性描写、ドラッグ、ドアーズにストーンズ、ストーリーよりもその詩的イメージに僕は魅了された。村上龍はいつも怒りながら優しい文章を書いている。その文体は多くの人が認めるように天才的と言っていい。「現存する作家の中では、文章に関しては最大の天才と言えるでしょう」と高橋源一郎はある著作の中で言っている。僕もそう思う。きっと凄いスピードで文章を書くんだろうなと思う。
それはさておき、毎晩適当にページを開いて読んでは眠る日々があった。20代になってからもあった。いつも主人公がリリーに話しかける様子を見ていた。それはいつも限りなくイノセントなイメージを僕に与えてくれた。自伝的小説とは言え、著者があとがきで女の子に手紙を書いているのも何故かセンチメンタリズムを軽く通り越しているようでかっこよかった。

そんなわけで今でも膨大な量の書籍を出し続けているけれど、新作の小説が出るとわくわくする。

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