お昼に焼き飯を食べて、テーブルで一息付きながらコーヒーを飲む。
つまらないテレビを観る気にもならないので、視線を左に移すと本棚で、吉本ばななの「キッチン」が目に留まる。およそ10年ぶりに開いてみる。確か古本屋で買ったものだ。
ストーリーは全く覚えていない。
コーヒーを飲み終えるまで30ページを黙々と読んだ。
孤独に見える生活がふとした出会いで時計のように静かに回りだす。
田辺さんはどんな顔なんだろうと思いながら読む。
奇妙に見える日常だけれど、何でもないことのようにセンテンスが繋がれていく。
引き込まれるなあと思っているとコーヒーが無くなってしまって、本を閉じ、棚へ戻した。
結末は思い出せない。途中で綴じても心地よい余韻が残った。心地よい孤独と言ってもいいかもしれない。
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